古代東アジアにおける各種盛土の構築方法と風土の関係

書誌事項

タイトル別名
  • CONSTRUCTION METHODS OF ANCIENT EARTH FILLS AND NATURAL ENVIRONMENT IN EAST ASIA

抄録

版築技術は黄河中流域(黄土地帯)でB.C. 3千年頃誕生した.黄土の盛土構築のためには版築による高密な締固めが必要であった.長江流域では粘着性土であり,版築の採用は遅れた.乾燥・半乾燥気候の黄河流域の墳墓は地下埋葬であるが,湿潤気候の長江下流域の江南では,B.C. 1.1千年頃から地上埋葬の土墩墓が構築される.黄河流域の墓制は朝鮮半島の楽浪墳墓群に,江南の地上埋葬は同様な風土の北部九州の吉野ヶ里墳丘墓(B.C. 1.5百年頃,堆築・層築)に伝播,出現する.中国東北部では,B.C. 4千年頃から積石塚がスタートし,高句麗の積石塚へと発展する.吉野ヶ里以降の我が国の墳墓,ならびに朝鮮半島南西部の墳墓は中国江南と同じく地上埋葬である.盛土構築方法は地域の風土に関連し,墳墓は水対策の観点から地下および地上埋葬に分かれる.

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