2ヶ所に設置したセンサによる地震記録を用いた建物全層応答推定手法の適用

書誌事項

タイトル別名
  • Overall Building Response Estimation Method on Records from Two Seismographs

抄録

本論文では、建物内の入出力関係にある基礎部と頂部の2つの地震計(加速度計)の記録から、建物全層での応答を推定する手法を提案している。この手法では、建物内の2点の記録の伝達関数を求め、そのピークを固有振動数とみなす。2点の波形の差分から求めた頂部の相対応答波形に対して、固有振動数に対応した帯域通過フィルタを施し、各固有モードの応答波形に対応するものを得る。この応答波形に固有振動モード係数を掛け合わせたものを各層における各モードの応答波形と見なし、各モードの応答波形を重ね合せることで各層における応答波形を求める。本手法を全層で地震観測を実施している建物に適用し、その妥当性について検討した。その結果、2点の観測記録から推定した全層応答は、実観測値とほぼ一致していることが確認された。

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