生体分子表面の水分子の滞在時間はどのようにして決まるのか

  • 米谷 佳晃
    日本原子力研究開発機構 量子ビーム応用研究部門 分子シミュレーション研究グループ
  • 河野 秀俊
    日本原子力研究開発機構 量子ビーム応用研究部門 分子シミュレーション研究グループ

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Other Title
  • セイタイ ブンシ ヒョウメン ノ ミズブンシ ノ タイザイ ジカン ワ ドノ ヨウ ニ シテ キマル ノ カ

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生体分子表面は複雑であり,それゆえ水のダイナミクスは多様である.水分子の生体分子表面滞在時間は,数psから数100 psまで様々であるが,その違いはどのようにして生じるのであろうか.筆者らは,様々な塩基配列をもつDNAを対象にした分子動力学シミュレーションから,DNAと水の水素結合様式とDNA表面の構造揺らぎが,水分子の滞在時間に関係していることを明らかにした.そこでは,Laage-Hynesにより示された水素結合組換えのメカニズムとの接点も明らかになった.今後,タンパク質の場合なども含め,水分子の滞在時間を統一的に理解し,表現していくためには,これまで示唆されてきた表面の形状と電気的性質の影響も考慮しなければならない.

Journal

  • Ensemble

    Ensemble 14 (4), 182-186, 2012

    The Molecular Simulation Society of Japan

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