【総説-受賞論文-】 酵素を用いた配糖体とその重合物の開発に関する研究

  • 木曽 太郎
    (地独)大阪市立工業研究所生物・生活材料研究部

書誌事項

タイトル別名
  • [Review: Prize-awarded article] Development of Glycosides Using Enzymes
  • 受賞論文 酵素を用いた配糖体とその重合物の開発に関する研究
  • ジュショウ ロンブン コウソ オ モチイタ ハイトウタイ ト ソノ ジュウゴウブツ ノ カイハツ ニ カンスル ケンキュウ

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抄録

本研究では配糖体の利用を目指して,酵素による配糖化,配糖体の改変を行い,生成物の機能性を検討した。1)ステビオシドなどの味質改善にはグリコシルエステル結合に対する酵素の作用性に関して基礎的な知見が必要となる。そこで,合成基質を用いた解析を行った結果,グリコシダーゼがグリコシルエステル結合をグリコシド結合と同じ活性部位・機構で加水分解することが示唆された。2)チオグリコシドの機能性について探究する目的で,複数の糖質関連の加水分解酵素に対する阻害作用を検討したところ,哺乳類の腸内マルターゼに対する非拮抗型阻害作用を発見した。3)ペルオキシダーゼによるアルブチンの酸化重合反応の検討と,生成物の性質に関する研究を行った。酵素量等をコントロールすることにより,難しい重合度の制御が可能になった。また,高重合度でも10~20量体であることを突き止めた。重合体について低い細胞増殖抑制効果や美白活性,蛍光発色を見出した。4)ペルオキシダーゼを用いたアルブチンとゲンチジン酸との酸化縮合から新しい配糖体を合成し,様々な分析から高い機能を有し,菌類のチロシナーゼを強く阻害するなど興味深い性質を示した。

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参考文献 (36)*注記

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