Nepalese Manuscripts of the Susrutasamhita

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  • ネパール伝『スシュルタ・サンヒター』写本について

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ネパールには3本の『スシュルタ・サンヒター』の貝葉写本が伝わる.そのうち一つは西暦878年に書かれており,ネパール出の写本としては,最古の確認できる日付を持つ.本稿では,それらの写本に関して見いだせることを数点紹介する.まず,ネパールでは仏教徒がそれらの写本の制作に関わっていた.さらには,仏教徒がテキストの著作にも関わっていた可能性を示す跡がこれらの写本には見いだされる.ネパール出の写本に見られるテキストは一つの伝承系統を形成する.つまりは,3本の写本はどれも共通の祖先から派生したと考えることができ,他の地域でのテキストの変遷からの影響は大きく受けていない.しかし,このネパールバージョンも長い伝承過程の痕跡を示す.すでに9世紀にはさまざまな形でのテキストの意識的,無意識的な変化のあとが見いだされる.一つにはこれらの痕跡を通じて,さらには純粋に古い読みを保存することによって,ネパール出の写本は『スシュルタ・サンヒター』の古いテキストの復元を可能にし,テキストがどのように変化して来たかを知る手がかりを提供する.

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