台湾原住民Taromak族における遊び仕事研究

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書誌事項

タイトル別名
  • Study of Asobi-Shigoto of Taiwanese Indigenous in Taromak Community
  • 台湾原住民Taromak族における遊び仕事研究 : 生活に密着した植物採集事例を通じて
  • タイワン ゲンジュウミン Taromakゾク ニ オケル アソビ シゴト ケンキュウ : セイカツ ニ ミッチャク シタ ショクブツ サイシュウ ジレイ オ ツウジテ
  • ―生活に密着した植物採集事例を通じて
  • - A Case Study of Plant Gathering to Daily Life

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説明

本研究は,台湾原住民Taromak族における植物採集とその活用について,自然共生型の生き方や集落共同体のあり方を内包する「遊び仕事」として捉え,祭りや通過儀礼における精神文化的行動も含めて,食物,燃料,道具,薬,通過儀礼などの事例から,環境民俗学の視座からその特質を検討した。Taromak族の生き方には,市場経済的社会や近代技術に容易に触れられる生活環境にあっても,独自文化の「伝統的真正性」にこだわろうとする姿勢,「共同労働」「共同享楽」の思想に基づき自然と濃密に関わりながら助け合うゲマインシャフト的な社会が現存し,また,エスニック・アイデンティティを次世代に継承していこうとする民族の強い意志を見て取ることができた。さらに,Taromak族の「遊び仕事」には,市場経済と繋がる「労働」ではなく,自然と共生してきた生活文化・技術を継承し,暮らしや「生きる」ことそのものと本質的な関わりを持つ「使用価値を作り出す労働」が内包されていることを明らかにした。

収録刊行物

  • デザイン学研究

    デザイン学研究 63 (6), 6_1-6_10, 2017

    一般社団法人 日本デザイン学会

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