近代日本における子供部屋の誕生 : 子供のためのデザイン成立とその背景に関する一考察 (2)

書誌事項

タイトル別名
  • The Birth of Children's Rooms in Modern Japan : Study on the Formation of Designs for Children and its Backgrond (2)

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説明

近代における「子供の発見」が市場としての子供の存在をも見出し, 子供のためのデザインが生み出されていく。本研究は近代日本でのその歴史を明らかにするものであるが, 本稿では特に子供部屋の出現と受容の変遷に焦点をあて考察した。欧米で子供部屋が急速に普及するのは19世紀以降で, 子供という存在の発見と尊重, さらに夫婦と子供を主体とする新しい家族像の誕生などが直接的な影響を及ぼしていた。日本では, 明治期の児童教育運動で家庭教育の重要性が唱えられる中, 盛んに紹介され始めるが, その内容は児童博覧会や家庭雑誌などを通じて人々に提供された。さらに大正時代中頃からは一連の生活改善運動や童心主義児童文学の影響を受け, 子供部屋への関心は一層強まる。こうした動向の下で「子供部屋」は百貨店など企業により商品化されていくが, 実際の子供部屋普及率の低さとは無関係に, 強い関心を持たれた近代日本の子供部屋には, 商品としての西洋的=近代的イメージが付されていたといえ, 人々の消費の欲望の対象になっていたことが明らかになった。

収録刊行物

  • デザイン学研究

    デザイン学研究 45 (1), 65-74, 1998

    一般社団法人 日本デザイン学会

参考文献 (60)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205410445568
  • NII論文ID
    110003825290
  • NII書誌ID
    AN00150292
  • DOI
    10.11247/jssdj.45.65_1
  • ISSN
    21865221
    09108173
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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