イギリスとアメリカの4人の現代木工芸家に見る表現手法と工芸思想 : ジェイムス・クレノフ、デヴィッド・パイ、ジョン・メイクピース、ウェンデル・カースルを対象としたフォルムとクオリティの比較考察
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- 谷 誉志雄
- 岐阜大学
書誌事項
- タイトル別名
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- Art and Ideas of Four Contemporary Woodworkers of Britain and America : Comparative Notes on the Form and Quality of James Krenov, David Pye, John Makepeace and Wendell Castle
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説明
アメリカのジェイムス・クレノフとウェンデル・カースル、イギリスのデヴィッド・パイとジョン・メイクピースには、現代木工芸の動向を概観するうえで、典型となりうる造形表現の手法と工芸思想が認められる。クレノフとパイは、工芸におけるアマチュアリズムの考え方を提唱している。彼らが目標としているのは、作品のオリジナリティー、つまり「フォルムの差異」を追究することではなく、木がもっている親密なクオリティを「真のアマチュア」の仕事で作品に結実させることである。現代の人工的環境が失った美的クオリティの探究が工芸の存在理由であるとクレノフとパイは考えている。作品はもとより、教育と著作を通じてこのような思想が支持されていることは彼らの大きな業績である。対照的にメイクピースとカースルは、フォルムに量産品との能動的な差異を求め、ダイナミックに変貌する造形スタイルを展開している。4人の著名な作家を例にとって見たイギリスとアメリカの現代木工芸は、造形スタイルと工芸思想の対蹠的構図を端的に示している。
収録刊行物
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- デザイン学研究
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デザイン学研究 47 (6), 91-100, 2001
一般社団法人 日本デザイン学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205410890880
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- NII論文ID
- 110003824855
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- NII書誌ID
- AN00150292
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- ISSN
- 21865221
- 09108173
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可