寺廟装飾「剪黏(ジェンネン)」に関する起源・変遷及び制作過程 : 台湾及び中国大陸南方における現地調査を通して

書誌事項

タイトル別名
  • Origin and Production Process of Temple Ornament Jian-nain : Through the Field Survey at Taiwan and South China

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抄録

「剪黏」とは、割れた茶碗の破片や色ガラスなどを利用して必要な形に刻み、作品の表面に一つ一つ丁寧に貼ることによって制作される、寺廟建築の屋根装飾である。本稿では、文献調査ならびに中国南部沿岸地域および台湾における現地調査に基き、「剪黏」の起源・変遷・制作過程について考察した。その結果、次の諸点を明らかにした。(1)中国大陸における「剪黏」は、南部沿岸の泉州地域において、清時代1700年前後に生誕したと思われる。また、ほぼ同時代に、その制作方法が台湾に伝えられた。(2)「剪黏」制作の主たる素材は、かつては茶碗や花瓶などの破片であったが、最近では、専用陶片が使用されるようになっている。専用陶片の出現は、「剪(切る)」と「黏(貼る)」からなる本来の「剪黏」造形における「剪(切る)」の作業を不要にし、職人の即興的創作性を喪失させた。この傾向は、台湾において著しい。(3)「剪黏」の主たる制作過程は、針金による原形制作、筋肉材の原形への付着、外観材の粘着に分けられる。

収録刊行物

  • デザイン学研究

    デザイン学研究 48 (4), 63-72, 2001

    一般社団法人 日本デザイン学会

参考文献 (27)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205411094400
  • NII論文ID
    110003825236
  • NII書誌ID
    AN00150292
  • DOI
    10.11247/jssdj.48.63
  • ISSN
    21865221
    09108173
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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