児童期統合失調症と気分障害

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タイトル別名
  • Childhood Schizophrenia and Mood Disorders

抄録

児童期統合失調症は成人発症例と連続性があり,ほぼ同じ病態であるという前提で臨床・研究が行われてきた。一方,児童期の気分障害に関して,うつ病については比較的早期からその存在が認知されていたものの,双極性障害についてはその概念さえもいまだ統一的な見解が得られていない状況である。そこで本稿では,児童期の統合失調症と気分障害,特に双極性障害を中心に,文献的な検討,鑑別診断における留意点,発達経過の特徴などからの検討を行った。病前適応・機能,親の喪失体験,脳画像研究において両者に特徴を認めるものの直接比較した報告はほとんどなかった。また,生育歴などの発達経過では,児童期の双極性障害において,臨床症状を横断的に捉えるだけはなく,最近の統合失調症研究にみられるように縦断的なアプローチが必要であると考えられた。今後,特に本邦における双極性障害の臨床的な特徴を症例の丁寧な記載と蓄積によって検討する必要があり,その結果,特に双極性障害の発達過程や発症までの展開を明らかにすることが今後の課題のひとつである。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205412209664
  • NII論文ID
    130005395342
  • DOI
    10.11249/jsbpjjpp.21.3_205
  • ISSN
    21866465
    21866619
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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