DBSの実際─リスクとベネフィット

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  • Deep brain stimulation-its practical procedures, risks and benefits
  • DBSの実際 : リスクとベネフィット
  • DBS ノ ジッサイ : リスク ト ベネフィット

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抄録

DBSは,疼痛疾患,不随意運動の治療法として始まり,中枢神経のループ回路障害の治療法として注目され,近年,難治性の強迫性障害(OCD),うつ病等々の精神科疾患にも適応されるようになった。中でも難治性 OCD に対する DBS は,USA で FDA の認可,ヨーロッパでも CE Mark approval を獲得し,そのDBS施行数は,論文発表例のみでも94症例となっている。複数報告例(総患者数= 81例)での治療有効率は約64 %(63.8 ± 21.9%)である。各ターゲットごとの報告例数,術後 YBOCS15点以下の改善者数,20点以下の改善者数は,①内包前脚/腹側線条体刺激:報告例数42 例,15点以下12 例,20点以下15例,②側座核刺激:報告例数33 例,15点以下8 ~ 11 例,20 点以下 13例,③視床下核刺激:報告例数19 例,15 点以下7例,20 点以下 11例であった。DBSによる治療が,精神科内,OCDの患者や患者家族内で選択しうる補助療法として認識され,検討されることを望むものである。

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