統合失調症の中間表現型研究の最前線

  • 橋本 亮太
    大阪大学大学院大阪大学・金沢大学・浜松医科大学連合小児発達学研究科附属子どものこころの分子統御機構研究センター 大阪大学大学院医学系研究科情報統合医学講座精神医学教室
  • 大井 一高
    大阪大学大学院医学系研究科情報統合医学講座精神医学教室
  • 安田 由華
    大阪大学大学院大阪大学・金沢大学・浜松医科大学連合小児発達学研究科附属子どものこころの分子統御機構研究センター 大阪大学大学院医学系研究科情報統合医学講座精神医学教室
  • 福本 素由己
    大阪大学大学院医学系研究科情報統合医学講座精神医学教室
  • 山森 英長
    大阪大学大学院医学系研究科情報統合医学講座精神医学教室 大阪大学大学院医学系研究科分子精神神経学
  • 梅田 知美
    大阪大学大学院医学系研究科分子精神神経学
  • 岡田 武也
    大阪大学大学院医学系研究科情報統合医学講座精神医学教室
  • 武田 雅俊
    大阪大学大学院大阪大学・金沢大学・浜松医科大学連合小児発達学研究科附属子どものこころの分子統御機構研究センター 大阪大学大学院医学系研究科情報統合医学講座精神医学教室

書誌事項

タイトル別名
  • Frontline of intermediate phenotype study in schizophrenia
  • トウゴウ シッチョウショウ ノ チュウカン ヒョウゲンガタ ケンキュウ ノ サイゼンセン

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抄録

遺伝要因が強い統合失調症ではリスク遺伝子を発見するための研究が盛んになされているが,主観的な診断基準や遺伝的な多様性等があるため,それを見出すことは困難な状態にある。そこで,中間表現型という概念が統合失調症のリスク遺伝子を見出し,そのメカニズムを同定するための手法として注目されている。統合失調症の中間表現型は,①遺伝性がある,②量的に測定可能である,③ 精神障害の弧発例において精神障害や症状と関連する,④長期にわたって安定である,⑤精神障害の家系内で精神障害を持たないものにおいても発現が認められる,⑥精神障害の家系内では精神障害を持つものでは持たないものより関連が強いという定義を満たすものであり,認知機能,脳神経画像,神経生理所見などが用いられる。この中間表現型研究の発展は,新しい技術の進歩に支えられている。本稿においては,中間表現型の概念,最近の研究成果,そして今後の展望について概説する。

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