広東の民間習俗における地方鎮物の造形に関する研究

書誌事項

タイトル別名
  • A Study of the Local Amulet in the Folk Custom of Guangdong
  • カントン ノ ミンカン シュウゾク ニ オケル チホウチンブツ ノ ゾウケイ ニ カンスル ケンキュウ

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抄録

<p> 本研究は、民間習俗としての地域における鎮物の造形を調査し、広東省・マカオを対象として、「土地神」「石敢當」等民俗資料を広く収集したものである。広東は「土地神」信仰が絶対多数を占めており、伝統的な吉祥文様が描かれた紙「春聯」と立体の簪花(かんざし)により飾られた「天官賜福」「門口土地財神」の牌位を頻繁に目にする。マカオの「石敢當」の数は「土地神」には及ばないもの、民間風俗と文化的背景から「土地神」と「石敢當」とが融合し、幸福祈願、富貴、魔除け、厄除け等心理的必要性に対応する様々な霊石信仰が生まれた。「石敢當」は路地、住宅、オフィス、商店、廟、集落神龕等の場所に分布し、石板、石碑、石塊、山型の四形態に大別される。広東とマカオの民間信仰に関しては、「土地神」と「石敢當」の設置と装飾から、民族独自の視覚的記号が垣間見える。例えば、漢字の字体、伝統的象徴的文様等は、伝統文化の保存・継承を体現するものでもある。</p>

収録刊行物

  • デザイン学研究

    デザイン学研究 64 (1), 1_1-1_10, 2017

    一般社団法人 日本デザイン学会

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