Fundamental study on control of radiative heat transfer between human body and surrounding walls based on wall surface emittance
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- Kumano Tomoyuki
- Department of Mechanical Engineering, Kobe City College of Technology
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- Wakabayashi Hidenobu
- Graduate School of Engineering, Kyoto University
Bibliographic Information
- Other Title
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- 壁面放射率に注目した人体-壁間のふく射伝熱制御に関する基礎研究
- ヘキメン ホウシャリツ ニ チュウモク シタ ジンタイ : ヘキカン ノ フクシャ デンネツ セイギョ ニ カンスル キソ ケンキュウ
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Description
室内の快適性は、気温のみならず、湿度、気流、ふく射など様々な要因によって決まる。特に夏場や冬場においては、人体と壁とのふく射伝熱が快適性に大きく関与する。ふく射による放熱量を調整するふく射冷暖房と空調を上手く組み合わせることで、オフィスなどにおいて快適な室内環境が省エネルギーで実現できる可能性がある。本研究では、壁面のふく射特性に着目し、放射率の違いによるふく射冷暖房効果への影響を解明することを目的とする。まず、等温の壁で形成される閉空間内に人体が存在するモデルにおいて、ふく射伝熱量と壁の放射率との関係を理論的に検討した。その結果、ふく射伝熱量は、閉空間のサイズが小さくなるにつれて放射率に大きく依存することが明らかとなった。このことから、狭い個室やパーテーションで区切られた小スペース(タスクエリア)では、放射率の制御が有効であることが示された。次に、タスクエリアにおいて、壁がアルミニウム面と黒体塗料面の場合におけるふく射冷暖房効果の違いを模擬実験によって検証した。ここで、アルミニウム面の全半球放射率はふく射流束計を用いて測定した。その結果、暖房時には壁の温度を高く/壁の放射率を小さくし、冷房時には低く/大きくすることで、冷暖房効果が向上することが示された。また、完全な閉空間でない場合や人体が完全に収まっていない場合にも、同様の効果が得られる可能性が示唆された。
Journal
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- Studies in Science and Technology
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Studies in Science and Technology 4 (2), 159-164, 2015
Society for Science and Technology