関東地方のヒメクビワカモメ<i>Rhodostethia rosea</i>の越冬記録

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書誌事項

タイトル別名
  • Wintering records of Ross's Gull <i>Rhodostethia rosea</i> in Kanto, Japan
  • 関東地方のヒメクビワカモメRhodostethia roseaの越冬記録
  • カントウ チホウ ノ ヒメクビワカモメ Rhodostethia rosea ノ エットウ キロク

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説明

ヒメクビワカモメRhodostethia roseaは,主にシベリア北東部で繁殖する小型のカモメ類である.繁殖後も余り南下せず,北極海や北太平洋の流氷原の周辺で越冬するため,本種の越冬期の分布域は,ほとんど分かっていない.1999年から2000年の越冬期に,東京湾奥部から利根川河口にかけての数ヶ所で本種が確認された.第1回冬羽の個体1羽が,1999年11月23日から翌2000年の3月18日まで千葉県習志野市谷津干潟(35°41′N,140°00′E)で越冬した.第1回冬羽は千葉県船橋市船橋海浜公園地先海上(35°40′N,139°59′E)で1999年12月4日に,小櫃川河口(35°24′N,140°55′E)でも記録された.千葉県成東海岸(35°44′N,140°50′E)では1999年12月28日,銚子市から茨城県波崎町にかけての利根川河口では,2000年1月9日から16日にかけて,幼羽から第1回冬羽に換羽中の個体1羽が確認された.この個体は,頭部や上面に黒褐色の幼羽を多く残していた.谷津干潟における記録は,国内で最も南の越冬記録であり,本種の分布を考慮すると越冬記録の南限になると考えられる.

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