中国大陸上における梅雨季の降水帯形成に関与する低温域の移動と循環系

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  • Migration of a Cold Air Mass Related to Rain Belt Formation on the Chinese Continent and Atmospheric Circulation Systems during the Baiu Season
  • チュウゴク タイリクジョウ ニ オケル バイウキ ノ コウスイタイ ケイセイ

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抄録

中国大陸上の降水帯形成に関与すると考えられる下層の低温域(高橋,1989)について,その出現・移動とユーラシア大陸東部における循環系との関係を事例解析に基づいて考察した.低温域は多くの場合チベット高原北側あるいはバイカル湖付近から追跡することができる.低温域は, (1)準定常的な上層の梅雨リッジ・トラフに対応する下層の高気圧と低気圧との間から南下する場合と, (2)チベット高原北側を上層のトラフが通過する際に寒気が下層に堆積したために形成されたと考えられる場合が見出された. (1)の場合,リッジ下層の高気圧が部分的に南東進することに対応して低温域が華中や華南にまで南下するが,リッジ・トラフの位置により,その後中国南部における東西方向の高度差が増大する場合と減少する場合とがある.前者の場合には大陸上への水蒸気供給を担う南風の強化と降水帯の維持が起こるが,後者の場合には南風が弱まり降水帯は南下解消する.

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