中央構造線活断層系・重信断層の変位地形と活動履歴

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タイトル別名
  • Holocene Faulting of the Shigenobu Fault, the Median Tectonic Line Active Fault System, West Shikoku, Japan
  • 中央構造線活断層系・重信断層の変化地形と活動履歴
  • チュウオウ コウゾウセン カツダンソウケイ シゲノブ ダンソウ ノ ヘンカ チケイ ト カツドウ リレキ

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抄録

中央構造線活断層系は,四国では活動度が高く,累積的な右横ずれ断層変位地形が連続的に認められるが,松山平野東部においてはこれまで活断層の存在が知られていなかった.このため,その東方の北方断層と西方の伊予断層との間には約10kmの断層線の不連続が存在し,ここがセグメント境界にあたると考えられてきた.筆者らはこの地域に長さ約6kmの明瞭な低断層崖地形が存在することを発見し,これを重信断層と命名した.本稿では活断層の存在を証明する地形学・地質学的な証拠を提示し,これに基づいた第四紀後期の運動様式および最近の活動履歴について考察する.重信断層は,N75~85°Eの走向を持ち,沖積面を南落ちに変位させる.直線的な低断層崖は重信町志津川から松山市高井町まで連続し,旧河道や侵食崖の屈曲から,これに沿って右ずれの変位が認められる.トレンチ掘削調査によって,地形から推定した位置に沖積層を変位させる断層が出現した.トレンチ壁面に出現した主断層は,走向N75~85°E,傾斜85~90°Sである.断層変位を受けた沖積層の年代から,5,550yrBP以降に少なくとも1回活動したと考えられる.

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