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- 吉野 正敏
- 筑波大学名誉教授
書誌事項
- タイトル別名
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- Environmental Change and Rice-producing Societies in Monsoon Asia
- モンスーンアジアの環境変化と稲作社会--研究の展望と問題の提起
- モンスーン アジア ノ カンキョウ ヘンカ ト イナサク シャカイ ケンキュウ ノ テンボウ ト モンダイ ノ テイキ
- 研究の展望と問題の提起
- A Review of Studies and Elucidation of Problems
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説明
21世紀には地球は温暖化し,種々の環境変化が起きるといわれている.その場合,モンスーンアジアの稲作社会はどのような影響を受けるかを気候学・農業気象学・農業地理学・地誌学・地域学(地域研究)などの立場から総合的に研究するために,従来の研究を展望し,問題点をまとめた.1920年代から欧米の研究者によるモンスーンアジアの地誌・人口,農業経済などの研究が進み,稲作社会が高い人口密度を支えていることを明らかにした.しかし,この結論は21世紀にもあてはまるかどうか,検討を要する.また最近,世界の人口増加による食料安全保障が問題にされている.一方,各国レベノレで自給率・需要・供給軸出入などが検討されている.しかし,過去の文化・歴史,および最近の経済発展・都市化(工業化)などで類似性を持っモンスーンアジアの地域スケールで,食糧・人口問題を考察することも重要と考えられる.モンスーンアジアの稲作社会に関連する国際および日本国内の協同研究や諸機関の最近の活動をまとめ,モンスーンアジアの範囲の検討・その定義の後,諸問題を整理した.そうして,今後の課題の事例として,コメの消費・自給・需要,エル・ニーニョ年におけるコメ生産の特異性,作物(耕作)カレンダー,水田農業の時代的発展に三いて述べた.結論として,最も緊急な研究テーマは,(1)モンスーンアジアにおける都市化(工業化)と稲作社会,(2)コメ生産ポテンシャルに及ぼす気候変動の影響評価,(3)気候の数十年から百年のスケールの乾燥化・湿潤化が稲作社会の盛衰に及ぼす影響,の3点にしぼられる.
収録刊行物
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- Geographical Review of Japa,. Ser. A, Chirigaku Hyoron
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Geographical Review of Japa,. Ser. A, Chirigaku Hyoron 72 (9), 566-588, 1999
公益社団法人 日本地理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205424359296
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- NII論文ID
- 110000521563
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- NII書誌ID
- AN1016484X
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- ISSN
- 21851735
- 00167444
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- NDL書誌ID
- 4848796
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- Crossref
- CiNii Articles
- OpenAIRE
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可