植生からみたオーストラリア半乾燥地域の「砂漠化」現象

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タイトル別名
  • VEGETATION-ECOLOGICAL ASPECTS OF “DESERTIFICATION” IN THE SEMI-ARID REGIONS OF AUSTRALIA
  • ショクセイ カラ ミタ オーストラリア ハン カンソウ チイキ ノ サバクカ
  • VEGETATION-ECOLOGICAL ASPECTS OF “DESERTIFICATION” IN THE SEMI-ARID REGIONS OF AUSTRALIA

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説明

オーストラリア半乾燥地域,とくに南部半乾燥地域で,植生に重点をおいて人為的な環境変化過程を分析した.丘陵地帯では,開墾によって林地が極度に減少し,顕著な土壌侵食塩類集積・過湿化が進行していた.海岸砂丘地帯では,放牧などによる大規模な砂丘の再活動がみられた.化石砂丘が卓越するマレー・マリー地域でも,砂層の厚いところで,入植・開墾による植生破壊を契機とした砂丘の再活動が活発であった.ここでは,ユーカリのリグノチューバーが残されていれば植生の復元は可能であるが,それが除去された地域では自然植生の再生は困難である.また,植生が回復する場合も本来内陸の乾燥地域に出現するはずの乾生草原やアカシアの妨害極相が出現する.そうした植生が半乾燥地域に出現することは,植生からみた「砂漠化」がこの地域で進行していることを意味する.こうした「砂漠化」現象を緩和させるためには,土地自然の特性を踏まえた適正な植生管理計画の策定が必要である.

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