小気球のコマ取り撮影による都市キャニオン内の空気循環の測定

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  • Measurement of Air Circulation in an Urban Canyon by Means of Interval Shooting of Tracer Balloons
  • ショウ キキュウ ノ コマ ドリ サツエイ ニヨル トシ キャニオンナイ ノ

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抄録

本研究では都市キャニオン内における空気循環を定量的にとらえることを目的とし,キャニオン内で放球した小気球のコマ取り撮影による観測を行った.すなわち, 2秒間隔で撮影したネガ上における小気球の直径と位置の測定から小気球の位置の変化量を求め,小気球を流す風速ベクトルを算出した.この方法は器材設置が容易で,市街地街路において有効な観測方法と考えられる.観測によりとらえられたキャニオン横断面内の循環は,キャニオン内の気温分布や表面温度分布が異なってもほぼ同一に認められ,上空の一般風の巻き込みにより生じた機械的循環と考えられる.キャニオン横断面における循環の強さ(渦度)は,キャニオンの走向に直交する一般風の風速成分と正相関を持っている.また,キャニオン上端では下降流が卓越しており,上面から流入した空気がキャニオンの走向方向へ発散している.今回の観測では一般風がキャニオンの走向に対して斜行して吹いており,異なる風向風速の条件下での調査も必要である.

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