書誌事項
- タイトル別名
-
- Hereditary pheochromocytoma/ paraganglioma syndrome(HPPS)
- イデンセイ カッショク サイボウ シュ ・ パラガングリオーマ ショウコウグン
この論文をさがす
説明
褐色細胞腫は内分泌疾患の中で,その進歩において最も著しく,今世紀になって全く概念が変わってしまった疾患といってもよい。その主な理由は,遺伝的なバックグランドが急速に明らかにされた点に尽きる。すなわち,以下の3点に集約される。①新しい原因遺伝子SDHBおよびSDHDの発見,②臨床的に散発性でも潜在的に遺伝性である可能性があること,③悪性化と関係する遺伝子(SDHB)が判明したこと。さらに最近2〜3年間でもSDHA,SDHAF2,TMEM127,MAXと4つの原因遺伝子が同定されており,結果的に主なものでも計10種類の多数の原因遺伝子が知られるようになった。これら遺伝的な原因で引き起こされる褐色細胞腫・パラガングリオーマを遺伝性褐色細胞腫・パラガングリオーマ症候群(Hereditary pheochromocytoma/ paraganglioma syndrome(「HPPS」))と呼ぶことがある。褐色細胞腫は10%病とも呼ばれるが,殊に「遺伝性の頻度」に関しては,この有名な法則は既に実情に即してない。今後,遺伝子診断がHPPSの診断のみならず,分子標的薬投与などの治療方針決定にも重要な時代が遠からずやってくるはずである(個別化医療)。本稿では,その臨床的な重要性に鑑みてSDHB,D変異による「HPPS」に重点を置いて紹介する。
収録刊行物
-
- 日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌
-
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 29 (2), 104-112, 2012
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390001205425687296
-
- NII論文ID
- 130004600537
- 40019966782
-
- NII書誌ID
- AA12566955
-
- NDL書誌ID
- 025189742
-
- ISSN
- 21869545
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- NDL
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可