原発巣と腋窩リンパ節転移巣にてHER2評価の不一致を認めた炎症性乳癌の1例

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タイトル別名
  • Discordance of HER2 status between primary inflammatory breast cancer and synchronous axillary lymph node metastases
  • 臨床経験 原発巣と腋窩リンパ節転移巣にてHER2評価の不一致を認めた炎症性乳癌の1例
  • リンショウ ケイケン ゲンパツ ソウ ト エキカリンパセツ テンイ ソウ ニテ HER2 ヒョウカ ノ フイッチ オ ミトメタ エンショウセイ ニュウガン ノ 1レイ

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抄録

<p>症例は47歳女性。右乳房腫大,血性乳頭分泌を主訴に当院受診。視触診上,右乳房外側皮膚の肥厚,発赤を認めた。超音波検査では右CD領域全体に皮膚肥厚と浮腫を認めたが,明らかな腫瘤は認められず,また右腋窩には複数のリンパ節腫大が認められた。原発巣,腋窩リンパ節巣に対し針生検を施行し,浸潤性乳管癌,腋窩リンパ節転移の診断を得たが,原発巣がHER2遺伝子増幅陰性であるのに対し,腋窩リンパ節巣はHER2遺伝子増幅陽性でありHER2評価の不一致を認めた。術前化学療法として抗HER2療法を開始した所,画像診断上,右乳房原発巣の縮小に加え,右腋窩リンパ節転移巣の消失を認め,根治手術を施行することが可能となった。乳癌原発巣と腋窩リンパ節転移巣におけるHER2の評価は,時に不一致を認めるため,原発巣とともに,腋窩リンパ節転移巣に対する生検を施行し,HER2の評価を行う必要がある。</p>

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