飼育下におけるニホンマムシの成長と捕食量

書誌事項

タイトル別名
  • Growth and Food Consumption in the Mamushi, <i>Agkistrodon blomhoffii blomhoffii</i> (Boie), in Captivity

抄録

9匹(雌7,雄2)の新生ニホンマムシAgkistrodon b. blomhoffiiを,2年間非冬眠下で,計量したマウスを週1匹の割りで投与して飼育した。飼育開始時平均体重6.0g,平均全長22.1cmのものが,121.3g,54.7cmに成長した。体重と全長の成長率には周期性が見られ,雌の両成長率間には相関があった。全長(Xm)と体重(Yg)との関係は,雌ではY=854X3.278,雄ではY=680X3.224の式で示される指数関数となった。月間増加体重は増加全長より,月間捕食量に対し高い相関があった。体重も全長より総捕食量に対し高い相関があり,毎月の体重(Yg)とその時点までの総捕食量(Xg)の関係にはシグモイドカーブがよく当てはまり,雌ではY=331(1-e-0.154-0.00173x)2.088,雄ではY=117(1-e-0.632-0.00470x)3.916となった。転換率(増加体重/餌の捕食重量×100%)は雌雄とも,月齢や全長,体重により変化することはなかった。2年間の平均転換率は,雌が22.9%で,雄の17.4%より高い値を示したが,有意差はなかった。2年間の全長と体重の増加は,この間の総転換率や総捕食量と相関があったが,この中で体重の増加と総捕食量の相関が最も高かった。

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