536. A FOSSIL ASSEMBLAGE OF MACACA AND HOMO FROM OJIKDO-CAVE OF HIRAODAI KARST PLATEAU, NORTHERN KYUSHU, JAPAN

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  • 536. 平尾台カルストの牡鹿洞におけるニホンザルとヒトの化石群集

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1962・1963年に日本ケイビング協会の主催で平尾台の総合調査を行なった際採集された脊椎動物化石と, その後地元から送られて来た資料をまとめて報告する。牡鹿洞の3個所から発堀された脊椎動物遺骸群集のうち, chamber 2のニホンザル(17頭)とヒト(1人)だけからなる遺骸群集は, 種類が少なく, 種構成が特異であること, ニホンザルの個数が目立って多いことなどの点で極めて特殊なものである。現在までにニホンザルの化石に関する報告は数例あるが, いずれも骨格が部分的で少数発見されているにすぎない。現在集積しつつあるニホンザル遺骸群集は, 多くの場合Natural trapとして堅穴についらくして形成されたもので, 何個体かがそれぞれ完全に保存されていることが多い。牡鹿洞の場合には長骨または頭骨などの大きな骨格に偏っていて, 指骨・脊椎骨など小さい部分はほとんど発見されていない。これらの点や堆積状態からみて, この遺骸群集形成の原因はNatural trapに落ちたものが, 二次的に再堆積したものであろうと推定される。しかし, 種構成の少ない点でNatural trapの一般的な例(chamber 1または鳩穴)と異なる。ニホンザルとヒトの群集は繩紋時代またはそれ以前に形成されたものと考える。さらに, 牡鹿洞からナウマン象およびカワウソの化石が産出したことは注目されることで, 平尾台から最初の記録である。

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