全部床義歯における新しい歯槽頂線記入法の検討

  • 谷内 秀寿
    松本歯科大学歯学部入門歯科医学
  • 岡藤 範正
    松本歯科大学歯学部入門歯科医学 松本歯科大学大学院硬組織疾患制御再建学講座
  • 三溝 恒幸
    松本歯科大学病院歯科技工士室

書誌事項

タイトル別名
  • A Study of the new drawing method for alveolar ridge lines for Complete Denture Constructions

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説明

目的:20 世紀後半より全部床義歯の人工歯排列は歯槽頂間線の法則では対応できないことを指摘する報告が増えてきた.本報告ではこの問題を解決すべく,歯科教育・臨床に応用でき平易な歯槽頂線描記法を考え検討した.方法:形態の異なる5 組の上下顎無歯顎石膏模型に教育経験3 年以上の歯科医師10 名に歯槽頂線の記入を依頼した.次に,それらの歯槽頂線を精査し,歯槽頂部をより多く含む直線を検討し,その描記法を考案した.そして,再度同じ5 組の無歯顎模型に教育経験3 年以上の歯科医師と臨床経験10 年以上の歯科技工士の10 名に新しく考案した方法(新歯槽頂線)に準じて歯槽頂線を記入してもらい,その結果を従来法の歯槽頂線の結果と比較して有効性を検証した.結論:我々が考案した新しい歯槽頂線の描記法は,従来法の歯槽頂線に比べて①義歯の歯列部を代表する歯列線に近い.②歯槽頂をより多く含む直線である.③描記線には個人差が表れ難い.④顎堤の吸収量の影響を受けにくい,ことなどが認められた.

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参考文献 (3)*注記

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