術前経口膵管鏡検査が有用であった主膵管型膵管内乳頭粘液産生性腫瘍の1例

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  • A case of Intraductal Papillary-Mucinous Neoplasm : successful preoperative pancreatoscopy in determining surgical margins

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抄録

症例は56歳,男性。49歳より慢性膵炎にて内服加療中。腹部超音波検査にて主膵管の拡張を指摘され,当院入院。腹部超音波検査にて膵頭部を中心に径11.2mmの主膵管の拡張を認め,腹部造影CTでは,さらに一部造影増強効果を認める部分を認めた。MRCPでは膵頭部の主膵管拡張の他に,不整狭窄や占拠性病変は認めなかったが,ERPでは,主膵管開口部の開大,粘液排出を認め,膵頭部主膵管内に隆起性病変を示唆する陰影欠損像を認めた。オリンパス社製CHF-BP260を用い経口膵管鏡施行。膵頭部主膵管内に血管透見を認めないイクラ状隆起を認めた。また,膵液細胞診はClass Ⅲbであった。以上より主膵管型膵管内乳頭粘液産生性腫瘍と診断し膵頭十二指腸切除術施行した。膵切除範囲は術前経口膵管鏡検査を含めた術前画像所見により決定した。組織学的には腺腫であった。

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