空腸憩室のAngiodysplasiaから大量出血をきたした1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case Report of Massive bleeding from Angiodysplasia of Jejunal diverticulum

抄録

81歳,男性。ネフローゼ症候群合併慢性炎症性脱髄性ポリニューロパチー症候群にて内科入院,ステロイド治療中に下血を認めた。上部・下部内視鏡にて出血源を認めなかったが,間歇的な下血をきたした。出血シンチグラフィーによる小腸出血の診断にて,小腸内視鏡を施行し,空腸憩室と,その辺縁のAngiodysplasiaを認めた。同部が出血部位と考えられたため,高エピネフリン生食水局注およびアルゴンプラズマレーザー凝固法による内視鏡的止血術を施行した。しかし,下血軽快せず数日後大量下血をきたした。同日血管造影を施行し,第2空腸動脈枝より出血を認めたが,選択塞栓術が不能であったため,空腸憩室出血の診断にて緊急手術施行。憩室切除を施行し,術後経過良好であった。病理所見にて憩室は仮性憩室であった。術前に診断された小腸憩室は稀であり,小腸内視鏡が診断に有用と考えられ,若干の文献的考察を加え報告する。

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被引用文献 (3)*注記

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