Plummer-Vinson症候群に見られた食道Webに対し内視鏡的バルーン拡張術が有効であった1例

  • 上平 晶一
    自治医科大学附属大宮医療センター/消化器内科
  • 吉田 行雄
    自治医科大学附属大宮医療センター/消化器内科
  • 佐藤 佳弘
    自治医科大学附属大宮医療センター/消化器内科
  • 平川 隆一
    自治医科大学附属大宮医療センター/消化器内科
  • 山中 桓夫
    自治医科大学附属大宮医療センター/消化器内科
  • 井廻 道夫
    自治医科大学附属大宮医療センター/消化器内科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Esophageal Web in Plummer-Vinson Syndrome Treated by Endoscopic Balloon Dilatation Therapy
  • 10.11641/pde.54.0_62

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説明

症例は49歳,女性。23年前からの嚥下困難が増悪したため,近医を受診した。上部内視鏡検査が施行されたが,食道入口部直下の膜様狭窄のため挿入できず,当センターを紹介受診した。血液検査にて鉄欠乏性貧血が,食道造影にて食道webが認められたため,Plummer-Vinson症候群(PVS)と診断された。鉄剤の内服治療が開始されるとともに,食道webに対して内視鏡的バルーン拡張術が施行された。1ヵ月後の上部内視鏡検査で食道狭窄は改善しており,嚥下困難も軽快していた。PVSは鉄欠乏性貧血に嚥下困難,舌炎,匙状爪などを呈する症候群で,高率に食道webを合併する。治療は鉄補充が基本であるが,食道webによる狭窄が高度な場合は,診断後,すみやかに拡張術が施行されることが多い。また,食道癌,後咽頭癌の合併頻度が高く,継続的な上部内視鏡検査が必要とされている。

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被引用文献 (3)*注記

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