老人保健施設の生産行動

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タイトル別名
  • 利潤関数アプローチ

抄録

本稿では,老人保健施設の一般化レオンチェフ利潤関数を推定している。これにより施設療養費の改訂などによる医療サービス価絡の変化が,医療サービスの生産量,各生産要素の雇用水準に与える影響を分析することが可能となる。ここでの分析結果によれば,老人保健施設の生産行動は医療サービス価格に非感応的であり, 施設療養費の引き上げは, 医療サービス生産を促進せす, 利潤のみを比例的に上昇させる。したがって施設療養費の引き上げ策には,老人医療サービス供給増加の効果を期待できない。<BR>一方,設備投資は入所サービス生産について大きな促進効果をもっている。平均的な生産規模の老人保健施設には規摸の経済が働いており,生産規摸の払大により医療サービスの平均費用を低下させることが可能である。また,経営を継続することにより得られる経営資本の蓄積 経験学習(learning-by-doing)は生産要素投入を節約し,入所サービス生産量を拡大する効果をもっている。したがって新規施設の建設を促進する政策より,既存施設の規模拡大を誘導する政策が優先されるべきてあろう。資本のレンタル価格の低下は,資本設備の均衡水準を増大させる。したかって,既存施設の規模拡張に対する補助金の支出は,設備投資に強いインセンティブを与えよう。

収録刊行物

  • Iryo To Shakai

    Iryo To Shakai 4 (2), 128-147, 1995

    The Health Care Science Institute

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205448313216
  • NII論文ID
    130004700924
  • DOI
    10.4091/iken1991.4.2_128
  • ISSN
    09169202
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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