薬剤給付管理
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- 岡本 悦司
- 近畿大学医学部公衆衛生学講座
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- Johnson Kathleen A.
- Associate Professor, University of Southern California School of Pharmacy
書誌事項
- タイトル別名
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- Pharmaceutical Benefit Management (PBM) and its Implication for Japan's Health Insurance Reform
- 日本の医療保険改革への示唆
説明
現在わが国の医療保険改革論議において,国際的にも高水準にあるとされる薬剤費の効率化が課題となっている。薬剤費効率化の具体策として,医薬分業の一層の推進の他,患者負担率の引き上げが検討されている。患者負担率の引き上げは薬剤費を確実に抑制するが,必要な薬剤もそうでない薬剤も一律に抑制されるという限界がある。<BR>本論では,患者負担率引き上げに代わる薬剤給付の効率化策として,目下米国で急成長しつつある薬剤給付管理と呼ばれるマネジドケアに着目し,その様々な機能ごとに,そうしたメカニズムをわが国医療保険制度の中に導入する可能性を,促進要因と阻害要因の両面から検討する。<BR>結論:薬剤給付管理は,薬剤費の効率化を進める上で,患者負担率の引き上げよりも優れた方策といえる。そのためには保険者と医療機関との直接契約を認める規制緩和が前提となる。また製薬企業の薬局経営が法的に禁止されていないことから,薬業界の「垂直統合」がわが国ですすむ余地も大いにある。
収録刊行物
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- Iryo To Shakai
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Iryo To Shakai 7 (3), 150-166, 1997
The Health Care Science Institute
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205448542464
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- NII論文ID
- 130004700953
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- ISSN
- 09169202
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可