マングローブ植物, ヒルギダマシの塩類排出に関する研究

  • 加藤 茂
    NODAI Research Institute, Tokyo University of Agriculture
  • 矢口 行雄
    NODAI Research Institute, Tokyo University of Agriculture
  • 杉 二郎
    NODAI Research Institute, Tokyo University of Agriculture

書誌事項

タイトル別名
  • Study on Salt Excretion from Salt Glands of <I>Ancennia marina</I>
  • マングローブ ショクブツ ヒルギダマシ ノ エンルイ ハイシュツ ニ カンスル
公開日
1987
DOI
  • 10.11457/swsj1965.41.196
公開者
The Society of Sea Water Science, Japan

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説明

ヒルギダマシ (Avicennia marina) は, 葉面に塩類を排出する塩類腺 (salt gland) をもち, マングローブ林を構成する種のなかで最も海水の影響を受ける最先端に分布し生育する種である.<BR>ヒルギダマシ葉表面に析出していた白色の結晶性物質は純粋に近い塩化ナトリウム (NaCl) であった. ヒルギダマシ葉面より排出 (分泌) される各種無機イオンのなかでNa+とCl-濃度が高く, 栽培液中のNaCl濃度上昇とともにこれら両イオンの排出量は増加した. その他のイオンとして海水成分であるK+, Mg2+, Ca2+, SO42-の各イオンが検出された. 根および葉内に分布するNa+およびCl-の濃度は, 栽培液中のNaCl濃度上昇とともに上昇した, 根内のNa+およびCl-の濃度よりも葉内の両イオンが高濃度であり, 根細胞膜を通過したこれらのイオンは速やかに葉内の貯水組織へ輸送され, 塩類腺により葉面から排出されるのであるが葉内に分布し滞留する間に葉面からの蒸散作用により水の減少 (各種イオンの濃縮) が促進される結果, 葉内の各種イオンの濃度が上昇するものと思われる.<BR>根および葉内の各種有機酸と栽培液中のNaCl濃度との関係について目下のところ明確には論議できないが, 吸収された過剰塩の排出が葉面に分布する塩類腺から盛んに行われ, 葉組織内の塩類濃度が調節されることより根および葉組織内での浸透圧調節のための有機酸による中和手段 (塩の形成) については他のマングローブ植物に比してあまり重要な機能ではないことが推察される.

収録刊行物

被引用文献 (3)*注記

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