書誌事項
- タイトル別名
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- A Study on the Cleft Lip and/or Palate Patients Who Discontinued the Orthodontic Treatment in the Orthodontic Clinic of Hiroshima University Dental Hospital
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説明
広島大学歯学部附属病院矯正科で動的矯正治療終了前に治療を中止した口唇裂口蓋裂患者の実態を把握する目的で,1968年4月から1989年3月までの21年間に診断用資料を採取した患者532名を1992年3月に調査したところ,中止患者は64名であった.<BR>これら64名の患者について,生年月日・性別・裂型分類・中止の時期・最終来院日・居住地を調査し,下記の結果を得た.<BR>1)中止患者の占める割合は口唇裂口蓋裂患者全体の12.0%で,全矯正患者における中止患者の割合2・9%と比較して多かった.<BR>2)中止患者では,片側性唇顎裂と両側性唇顎口蓋裂患者が多かった.<BR>3)動的矯正治療開始前に中止した患者が全体の39.ユ%(25名),MBSによる治療中に中止した患者が25%(16名)と多かった.<BR>4)これらの患者のうち,46名に手紙で連絡をしたところ,11名は転居のため返送され,22名は回答がなく,13名から返信があった.13名中,中止後他の病院で矯正治療を受けていたのが1名あり,12名は治療を受けていなかった.そのうち10名が矯正治療の再開あるいは相談を希望していた.<BR>動的矯正治療終了前の治療の中止を無くするためには,矯正治療の長期計画や治療結果の見通しについて十分説明し,患者の理解と納得を得ることが必要と思われた.また,何らかの事情で矯正治療を中止した口唇裂口蓋裂患者に対しては,単に中止として術者が治療の終止符を打つのではなく,患者が治療を希望した時点で再度来院しやすい状況を備えることが必要と思われた.
収録刊行物
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- Journal of Japanese Cleft Palate Association
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Journal of Japanese Cleft Palate Association 18 (3), 291-299, 1993
Japanese Cleft Palate Association
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205451365632
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- NII論文ID
- 130004988322
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- ISSN
- 03865185
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可