書誌事項
- タイトル別名
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- Concerns of Parents of Cleft Lip/Cleft Palate Patients
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抄録
今後の口唇裂口蓋裂治療の指針を得る目的で,昭和大学形成外科言語外来,熊本機能病院形成外科,矯正歯科,言語治療室を受診した口唇裂口蓋裂の患者の親,主として母親536名に対してアンケート調査を実施した.<BR>患者の裂型は,口唇裂107例,口唇口蓋裂307例,口蓋裂122例であった.年齢は生後2週間から12歳11カ月であった.<BR>方法は30項目からなる質問紙を用い,現在最も関心のある項目3つを選択してもらった.結果は哺乳・摂食,発達,手術,言語,耳鼻疾患,歯科的問題,容貌,社会適応・性格,進学・就職,結婚・出産,遺伝,障害の告知,X線撮影,治療費およびその他に分類した.<BR>1)口唇裂,口蓋裂の親の関心事は多岐に渡ってV・たが,全体では歯科的問題(20・4%),手術(16・3%),遺伝(10.8%),言語(10.2%),容貌(9.5%),耳鼻疾患(9.1%)の順に関心が高く}直接治療の対象となる項目に関心が高かった.<BR>2)裂型による差では,裂型による障害像の差異を反映すると考えられる関心のパタンを示し,口唇裂単独群では手術,容貌,口蓋裂単独群では歯科的問題,言語,口唇口蓋裂群では両者の特徴をあわせもち,歯科的問題,手術,言語,容貌に関心が高かった.<BR>3)年齢による差では,現在治療中あるいは治療の準備段階にある項目に関心が集まる傾向がみられ,乳児期では手術,幼児期では歯科的問題,手術,言語,学童期では歯科的問題,耳鼻疾患に関心が高かった.<BR>4)性別による関心事項の差はなかった.<BR>5)遺伝に対する関心はどの裂型,どの年齢群でも高かった.<BR>6)口唇裂,口蓋裂のもたらす一次的な障害が社会生活をするうえでの二次的な障害をひきおこす可能性があることを念頭におき一局所のみにとらわれない全人的な治療の必要があると考えた.
収録刊行物
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- Journal of Japanese Cleft Palate Association
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Journal of Japanese Cleft Palate Association 18 (1), 133-141, 1993
Japanese Cleft Palate Association
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205451396992
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- NII論文ID
- 130004586334
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- ISSN
- 03865185
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可