Goslon Yardstick を用いた日本人片側性口唇口蓋裂患者37症例の咬合評価

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  • Evaluation for Malocclusion of 37 Japanese Patients with Unilateral Cleft Lip and Palate by Gaston Yardstick

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抄録

Goslon Yardstickは,片側性口唇口蓋裂患者の不正咬合の程度を簡便に評価可能な再現性のある方法で,近年のヨーロッパを中心とした多施設比較研究に用いられている.今回我々は日本人片側性口唇口蓋裂患者に対して,GoslonYardstickを適用し評価の再現性と評価に影響を与える因子について検討を行った.資料として,徳島大学歯学部附属病院矯正科を受診した片側性口唇口蓋裂患者37症例の石膏口腔模型を用いた.これら37症例の石膏口腔模型を用いてMarsらの方法に基づき4人の矯正歯科医が評価者となり全症例を2度にわたってgroup1(excellent)からgroup5(verypoor)の5段階で評価を行った.評価方法の再現性についてはSpearmanの順位相関により検討を行った.更にGoslonscoreと各症例のoverbite,前歯部,犬歯部,大臼歯部のoverjetとの関係について回帰分析とSpearmanの順位相関により検討を行った.GoslonYardstickによる評価では,group1は1症例,group2は4症例,group3は15症例,group4は13症例,group5は4症例で,平均Goslonscoreは,3.41±0.61であった.4人の評価者による術者内,術者間の評価の再現性は比較的高かった.また,Gcslonscoreと前歯部overjetについてのみ単回帰式の適合度は1%以下で有意であった.重回帰分析のstepwise法では,前歯部overjetと犬歯部overjetが選択された.Spearmanの順位相関分析では,同2項目で,有意な負の相関を示した.<BR>以上からGoslonYardstickは,日本人片側性口唇口蓋裂患者に対する不正咬合の程度を比較的再現性良く簡便に評価可能な方法であることが示された.

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