室内の光環境・視環境

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タイトル別名
  • Indoor light environment and visual environment
  • シツナイ ノ ヒカリ カンキョウ シカンキョウ

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抄録

本稿では, まず光環境の基礎として, 視覚の成り立ち, 測光量の解説を行い, 照明の歴史について昼光照明と人工光照明に分けて, 簡単に示した。光環境の要件としては, 2007年に制定されたJIS基準「屋内作業場の照明基準」に挙げられた項目(輝度分布, 照度, グレア, 光の指向性, 光の色, 演色性など)を中心に解説した。視野内の輝度分布については, 輝度が高すぎるとグレアを生じ, 輝度対比が大きすぎると, 視覚的疲労感を生じる。照度基準については「作業能率の向上と照明費の採算点」とJISの照度基準に書かれているように, 総合的な判断において定められた値で, 決定根拠となるようなデータはないことなどを述べた。<BR>さらに筆者の専門である昼光照明について述べた。光源としての利点として変動と分光分布を挙げ, 直射日光の影響や窓の心理効果についても解説した。<BR>最後に, 室内光環境の現在と今後の方向性として, 低炭素型社会と光環境, 光の健康影響についてまとめた。照明の各種対策によるCO2削減の試算を行い, 例えば「もし, 日本の白熱電球をすべてLEDに換えたら」CO2削減量は4百万t-となり, 計算上はこれで削減目標を達成できてしまうことを示した。光の健康影響については概日リズムの一つであるメラトニン分泌抑制を中心に述べた。

収録刊行物

  • Indoor Environment

    Indoor Environment 11 (2), 117-123, 2008

    Society of Indoor Environment, Japan

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (1)*注記

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