中性脂肪およびコレステロールの摂取がイヌの内因性脂質代謝に及ぼす影響

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抄録

イヌにおける食餌性(外因性)脂肪摂取が内因性脂質代謝へ及ぼす影響を検討するため,健常犬に中性脂肪(TG)ならびにコレステロール(Cho)を経口投与し,各リポ蛋白の構成比の変動を測定した。また内因性脂質代謝を検索するため血漿アポリポ蛋白B-100(apoB-100)の濃度を測定した。TG投与では,血漿TG濃度は6時間後まで,リポ蛋白構成比ではカイロミクロンおよび超低比重リポ蛋白(VLDL)が2時間後に,低比重リポ蛋白(LDL)が4時間後に増加したが,血漿apoB-100濃度は変動しなかった。したがって,TG摂取時には,VLDLの分泌亢進ではなく脂質含有量の増加により,血漿中の内因性脂質が増加すると考えられた。一方Cho投与では,血漿TGおよびCho濃度は変動しなかったが,LDLの構成比が8時間後まで増加し,血漿apoB-100濃度も8時間後まで増加したが,VLDL分画中のapoB-lOO濃度に変動は認められなかった。したがって,Cho摂取時には血漿脂質濃度に有意な変動を与えない程度の,LDLの取り込み減少によると考えられる内因性脂質の停滞が生じると考えられた。以上のことから外因性脂肪摂取は内因性脂質代謝に影響し,またこの影響は脂質の種類により異なると推測された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205459463168
  • NII論文ID
    130004625944
  • DOI
    10.11266/jpan1998.2.supplement_18
  • ISSN
    13443763
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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