関係概念としての「混みぐあい」概念の発達
書誌事項
- タイトル別名
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- Concepts of Interrelations Among Number, Length, and Crowdedness in 5-to 10-Year-Olds
- カンケイ ガイネン ト シテ ノ コミ グアイ ガイネン ノ ハッタツ
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抄録
本研究の主な目的は, 数と長さの関係概念としての「混みぐあい」概念の発達を調べることであった。実験には3種の混みぐあいの異なるチューリップの花壇, 3種の長さの異なるプランター3種の数の異なるチューリップの花束の絵が用いられた。参加者は5歳から10歳の子ども136名であった。主な結果は次のようであった。(a) 5, 6歳児では, 混んでいる・すいているという意味の理解が, かなり難しかった。(b) 数と長さの問の比例的関係は, 5歳児でも相当によく把握していた。しかし, この関係への固執が, 混みぐあい=数長さという1つの3者関係の形成を, かえって妨げているのではないか, と思われた。(c) 長さと混みぐあいの反比例的関係の把握が最も難しかったが, 8歳児は, 2つの比例的関係と 1つの反比例的関係のすべてを, かなりよく把握しているようであった。(d) これら3つの2者関係を1 つの3者関係に統合することは大変難しかった。8歳から10歳にかけて大きく進歩したが, 10歳でも約 25%の子どもしか統合を完了していないようであった。このような結果は, 小学校5年算数「単位量あたり」が子どもにとって難しい理由を示唆した。
収録刊行物
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- The Japanese Journal of Educational Psychology
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The Japanese Journal of Educational Psychology 48 (2), 109-119, 2000
The Japanese Association of Educational Psychology
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205460362624
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- NII論文ID
- 110001893201
- 130004698374
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- NII書誌ID
- AN00345837
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- NDL書誌ID
- 5478570
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- ISSN
- 00215015
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- Crossref
- NDL-Digital
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可