<b>ゾル- ゲル/光硬化2 元架橋による有機無機ハイブリッドの開発 </b>

DOI
  • 松川 公洋
    地方独立行政法人 大阪市立工業研究所,電子材料 研究部

書誌事項

タイトル別名
  • <b>Development of Organic-Inorganic Hybrids by Dual Cross-linking with </b><b>Sol-Gel and Photo Curing System </b>

抄録

有機材料と無機材料を分子レベルで組み合わされた有機無機ハイブリッドは,それぞれの欠点を補いつつ,さらに新たな機能を相乗的に発現できる先端材料として,その活用が期待されている。無機組成物であるシリカやチタニア等は,金属アルコキシドのゾルゲル反応で合成できることはよく知られている1)。通常,有機無機ハイブリッドは,ゾル- ゲル反応中に有機ポリマーを分散させる,あるいは,ゾル- ゲル反応中でポリマーを重合させることで作製できるが,それらの形成には金属アルコキシドとの共有結合2)-6),水素結合7), 8),π- π相互作用9)等の化学的な結合が必要である2)。そのためには,シランカップリング剤として用いられている分子内に有機官能基とアルコキシシラン基を共に有する炭素官能性アルコキシシランは,有機無機ハイブリッドの原料として非常に有用である。 炭素官能性アルコキシシランの二つの官能基を同時に反応させることで架橋密度の高い有機無機ハイブリッド生成物を与えることができる。ビニル基,アクリル基,エポキシ基等を含んだ炭素官能性アルコキシシランの光重合と加水分解・縮合によるゾル- ゲル反応によって,光照射プロセスで有機無機ハイブリッドを迅速に作製することが可能である。 炭素官能性トリアルコキシシランのゾル- ゲル反応を完結させて得られるポリシルセスキオキサンは,有機無機ハイブリッドを合成する上で,有用な反応性シロキサンの原料となっている。エポキシ基,アクリル基,チオール基等を有する光反応性ポリシルセスキオキサンは,有機モノマーを適宜選択することで,光架橋したハイブリッドを生成できる。それぞれ組成物の 種類,含有量により,有機無機ハイブリッドの特性を変えることができ,光学特性,特に屈折率の制御が可能である。 本稿では,炭素官能性アルコキシシランのラジカル重合やカチオン重合と同時にゾル- ゲル反応が進行する光2 元架橋反応や光反応性ポリシルセスキオキサンを用いた新しい有機無機ハイブリッド材料の作製と光学材料への応用について述べる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205460496768
  • NII論文ID
    130004648232
  • DOI
    10.11364/networkpolymer.31.201
  • COI
    1:CAS:528:DC%2BC3cXpsFygur8%3D
  • ISSN
    2186537X
    13420577
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ