青年期の友人関係における山アラシ・ジレンマの分析
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- 藤井 恭子
- 筑波大学心理学研究科
書誌事項
- タイトル別名
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- The Porcupine Dilemma in Adolescents' Friendships
- セイネンキ ノ ユウジン カンケイ ニ オケル ヤマ アラシ ジレンマ ノ ブンセキ
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説明
本研究では, 青年期の重要な友人との関係における心理的距離をめぐる葛藤について検討する。具体的には, 青年が友人との心理的距離をめぐり,「近づきたいけれども近づきすぎたくない」,「離れたいけれども離れすぎたくない」というように,「適度さ」を模索して生じる葛藤である。本研究ではこの葛藤を,「山アラシ・ジレンマ」として捉え,(1) 青年期の友人関係における「山アラシ・ジレンマ」を抽出する,(2)「山アラシ・ジレンマ」に対する心理的反応の仕方を明らかにする,(3)「山アラシ・ジレンマ」とそれに対する心理的反応の仕方の関係について, 心理的距離の程度から明らかにする, ことを目的として研究を行った。その結果, 近づくことに対するジレンマ, 離れることに対するジレンマにおいて, 心理的要因がそれぞれ2つずつ抽出された。それらは, 対自的要因によるジレンマと, 対他的要因によるジレンマであると整理された。また, 生じた「山アラシ・ジレンマ」に対して,「萎縮」,「しがみつき」,「見切り」という3つの心理的反応があることが明らかとなった。さらに, 対自的要因による「山アラシ・ジレンマ」ほど, 心理的反応に結びつきやすく, その傾向は相手との心理的距離を遠く認知しているほど強まることが明らかとなった。
収録刊行物
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- The Japanese Journal of Educational Psychology
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The Japanese Journal of Educational Psychology 49 (2), 146-155, 2001
The Japanese Association of Educational Psychology
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205460611072
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- NII論文ID
- 110001893229
- 130004624079
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- NII書誌ID
- AN00345837
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- NDL書誌ID
- 5833016
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- ISSN
- 00215015
- http://id.crossref.org/issn/00215015
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- Crossref
- NDLデジコレ(旧NII-ELS)
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可