神経難病とともに生きる長期療養者の病体験: 苦悩に対する緩和的ケア

書誌事項

タイトル別名
  • Experiences of Individuals Living with Neuromuscular Illness in Long Course: Palliative Care for Their Psychological Distress
  • シンケイ ナンビョウ ト トモニ イキル チョウキ リョウヨウシャ ノ ビョウ タイケン クノウ ニ タイスル カンワテキ ケア

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説明

本研究は, 神経難病の長期療養者の発症から病状・生活障害が重度にいたるまでの病体験を明らかにし, 神経難病とともに生きる療養者の苦悩を緩和するための支援方法を検討することを目的に, 発症から10年以上経過した在宅神経難病療養者・家族9組を対象に, 半構成的面接を行い質的帰納的に分析した. 結果, 療養者の苦悩は6領域12カテゴリが抽出された. 身体症状・生活障害領域は【症状のわずらわしさ】【生活障害による苦痛】【自分で自分のことができない苦痛】の3つから構成され, これらから他の苦悩が派生していた. 一方, 療養者の支えとして【症状のコントロール】【保持されている身体機能への感謝】をはじめ, 苦悩の領域と対比する10カテゴリが抽出された. 療養者の心的状態は, これら苦悩の重さと支えとの間で揺れ動くシーソー関係にあることが明らかになった. 療養者のかかえる苦悩の緩和的支援として, 1)身体面の苦痛や障害への優先的な働きかけ, 2)患者の思いに寄り添ったケア提供, 3)苦悩を支えに転換, および支えを発見・支持する関わりが示唆された.

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参考文献 (21)*注記

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