小児がんで子どもを亡くした父親の悲嘆過程に関する研究

書誌事項

タイトル別名
  • A Study of the Grief Process of Fathers Who Lost a Child to Childhood Cancer
  • ショウニ ガン デ コドモ オ ナクシタ チチオヤ ノ ヒタン カテイ ニ カンスル ケンキュウ

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抄録

本研究は, 子どもを亡くした父親がどのような悲嘆を体験し, かつどのように子どもの死を受け入れ自己を変化させていくのか, その悲嘆過程を明らかにすることを目的とした. 小児がんで子どもを亡くし, 死別後3年から10年を経た父親5名を対象に悲嘆過程に関する半構成面接を実施し, 質的帰納的に分析した.<BR>分析の結果,【死別の悲しみ】,【子どもを亡くした悲しみとの対峙】,【子どもの死を認める作業】,【子どもの死の受容】,【価値観の変容】,【悲しみの受け止め方の変容】,【子どもとの絆の維持】という7つのカテゴリーが抽出された.<BR>本研究で確認された父親の悲嘆の特徴は, 子どもの死は父親にとっても深い悲しみであり, 母親とは異なる質の罪責感や後悔を体験していたこと, 父親の悲嘆過程において仕事が重要な役割を果たしていたこと, 父親の多くは悲嘆過程の中で泣くことを体験しており, 必ずしも男性の役割期待が感情表現を妨げるとは限らないことなどであった.

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参考文献 (15)*注記

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