フェノール・エポキシ系樹脂塗料の硬化反応 (第13報)

書誌事項

タイトル別名
  • Thermosetting Reaction of Phenolic-Epoxy Resin Enamels
  • フェノール・エポキシ系樹脂塗料の硬化反応-13-
  • フェノール エポキシケイ ジュシ トリョウ ノ コウカ ハンノウ 13

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説明

アンモニアレゾール型フェノール樹脂と, ビスフェノールA型エポキシ樹脂からなる熱硬化性樹脂組成物について, 150℃ないし300℃, 3秒ないし50分の加熱範囲で, その硬化反応を検討し樹脂硬化のモデル反応として追求した。この場合, 硬化反応の追跡には溶剤により未硬化樹脂を抽出し, そのゲル分率を測定したが, 溶剤としてはクロロホルムが溶解性の見地から最適であった。クロロホルムによれば平均分子量でプレポリマー2分子縮合体以下の物質が溶解される。このとき抽出された未硬化樹脂中に存在するフェノール樹脂とエポキシ樹脂の比率についてNMRを用い, クレゾールのメチル基 (2.25ppm) およびビスフェノールAのメチル基 (1.65ppm) のプロトンシグナルにより定量し, これから各樹脂の硬化状況を検討した。その結果いずれの硬化条件でも, フェノール樹脂同志のメチロール基によるゲル化が優先的に生じており, 続いてエポキシ樹脂とフェノール樹脂間の橋カケが生じることが考察された。<BR>その硬化反応は, まずフェノール樹脂のメチロール基により自己縮合が生じ幹ポリマーが生成し, このフェノール樹脂中の水酸基にエポキシ基が付加する。ついでその開環したエポキシ基から生ずる2級水酸基に未反応のエポキシ基が反応し, 一方フェノール樹脂中のメチロール基とエポキシ樹脂中の2級水酸基が反応し, こうして橋カケが進行する。しかし各樹脂の反応への寄与率は硬化温度によって異なり, 一定のゲル化度を示すとき低温長時間反応ではエポキシ樹脂が.高温短時間反応ではフェノール樹脂が, 硬化反応に対して寄与していることがわかった。すなわち硬化機構は反応温度により異なるものである。

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