2 歳未満で発症した後天性顔面神経麻痺症例の検討

  • 田中 学
    埼玉県立小児医療センター神経科
  • 安達 のどか
    埼玉県立小児医療センター耳鼻咽喉科
  • 浅沼 聡
    埼玉県立小児医療センター耳鼻咽喉科
  • 坂田 英明
    目白大学保健医療学部言語聴覚学科
  • 加我 君孝
    国立病院機構東京医療センター臨床研究センター(感覚器センター)

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical features of infants with acute facial palsy

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抄録

  乳児期あるいは小児期早期に発症した後天性顔面神経麻痺に関する報告は少ない.埼玉県立小児医療センター神経科を2002年からの10年間に受診した発症 2 歳未満の症例について,診療録を後方視的に調査した.検索条件を満たしたのは 7 例で,発症は 1 歳 0 カ月から 1 歳10カ月であった.麻痺の原因は単純ヘルペス感染,中耳炎および顔面打撲がそれぞれ 1 例ずつで,他の神経徴候との合併が 1 例,Bell 麻痺は 3 例であった.重症度評価は40点法を用いて行われたが,可能項目数は 3~6 であり,十分な評価とは言えなかった.乳児期症例にも適用できる評価法が望まれる.再発例を含む全例で90%以上の症状回復が得られたが,回復までの期間は 1 週間以内から 4 カ月までと様々であった.1 例を除く全例で,急性期にステロイド剤が投与された.ステロイド剤使用の是非に関する議論は未解決であるが,自験例では明らかな副作用なく治療を行えた.

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参考文献 (13)*注記

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