電着塗膜形成機構の考察

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タイトル別名
  • Study of the mechanism of Electrodeposited Film Formation
  • デンチャク トマク ケイセイ キコウ ノ コウサツ

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抄録

電着塗膜形成機構を考察するために, ディジタルタイマーで表示時間を制御された5ケタの積分形ディジタル電圧計を使って電流を測定した。電流と通電時間の関係を, 通電初期の急速な変化とその後のわずかな変化とについて高い精度で解析できた。<BR>1.10V定電圧電着では, 電流密度の逆数の二乗を通電時間 (0~180秒) に対して目盛ると直線になった。この直線のこう配から, 1クーロンあたりの電着物の抵抗 (K) を計算した (K=2×105Ω・cm4/coul.) 。<BR>2.100V定電圧電着では, 電流の対数を通電時間 (1~5秒) について目盛ると直線になった。また電流密度の逆数の二乗を通電時間 (10~180秒) について目盛ると直線になった (K=3.6×106Ω・cm4/coul.) 。50Vの場合のこの直線のこう配は溶液のかきまぜによってわずかな交互変動を示すが, 陽極をリン酸亜鉛処理するとこの変動は小さく, かつ少なくなった。<BR>塗膜形成機構を次のように推定する。電導性の均一電着物は, ジュ1ル熱による融着, 電気浸透による脱水により絶縁体となって陽極を絶縁被覆し, 電極にしっかり付着した塗膜を形成する。気ほうの放出によって生じる細孔内のイオンのために塗膜の電導性が維持されている間, この間電着は継続される。

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