XPSを用いたケイ酸エステルの塗膜表面存在率と加水分解率の定量的評価

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  • Quantitative Evaluation of Hydrolysis Ratio and Content of Silicic Ester on Film Surface by X-ray Photoelectron Spectroscopy
  • XPS オ モチイタ ケイサン エステル ノ トマク ヒョウメン ソンザイリツ ト カスイ ブンカイ リツ ノ テイリョウテキ ヒョウカ

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説明

ケイ酸エステル(アルキルシリケート)は塗膜表面の親水化剤である。そのメカニズムはいまだに解明されていない。ケイ酸エステルは疎水性を有するため塗膜表面に移行後, 加水分解すると推定できるため, 移行性と加水分解性を個々に評価できればメカニズム解明に有用な情報となる。これまでケイ酸エステルの挙動はSi元素濃度でのみ評価されてきたが, この値は移行性と加水分解性の両方を因子として含んでおり, これらを分離することはできなかった。我々は, XPS測定により塗膜に非単色化Mg Kα線を照射すると, ケイ酸エステルのOR基だけが選択的に分解することを見いだした。この現象を利用して表面存在率と加水分解率を個々に求める手法を開発した。すなわち, 非単色化Mg Kα線照射によるC-O結合の減少量から加水分解率を, さらに照射後の元素構成比率から表面存在率を定量することができた。この手法を上市されている低汚染性塗料に適用した結果, 本パラメーターはいずれも塗膜表面の親水性を示す水接触角とよい相関を示した。

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