耐性緑膿菌のRプラスミドの分離と耐性伝達に関する研究

書誌事項

タイトル別名
  • A STUDY ON THE ISOLATIONS OF R PLASMIDS FROM RESISTANT STRAINS OF PSEUDOMONAS AERUGINOSA AND THE TRANSFER OF THEIR RESISTANCE
  • タイセイ リョクノウキン ノ R プラスミド ノ ブンリ ト タイセイ デンタ

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説明

Gentamicin (GM) を初めとするアミノ配糖体耐性Rプラスミドを緑膿菌より分離し, その遺伝的性状について検討する事を目的として, 高頻度にGM耐性緑膿菌が分離された2施設からアミノ配糖体耐性菌を集めた. 又, 各菌のファージタイピングを行ない, GM耐性Rプラスミドの由来との関係について解析した. 対象とした2施設のGM耐性緑膿菌の占める割合は, 施設A; 56%, 施設B; 38%と高く, これらの株の殆んどは Dibekacin (DKB), Tobramycin (TOB) に対しても交差耐性を示していた. 一方, この中で接合伝達実験により耐性伝達可能であつた株の分離頻度は両施設で明らかな差が認められた. 施設Aでは耐性伝達可能株の分離頻度が高く, 分離されたRプラスミドの全てはGM, DKB, TOB耐性を基本とした耐性マーカーを有していた. これらのRプラスミドを保有する菌のファージ型別では, 同じRプラスミドを有しながらファージ型の違う株が認められ, 施設Aにおいては, GM耐性緑膿菌の蔓延に加えてアミノ配糖体耐性Rプラスミドレベルでの汚染と定着の可能性のある事が推察された. 施設Bでは, GM耐性を運ぶ伝達性Rプラスミドは分離されなかつたが, ここでもGM, DKB, TOB耐性を基本とした同じ耐性型を有するアミノ配糖体耐性緑膿菌が37株中, 31株を占め, これらの株の殆んどが類似したファージ型を示した. この事実は施設Bにおいて, GM耐性菌そのものによる汚染のある事を示しているものと思われた.

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