ヒト腎癌および膀胱癌由来培養細胞株 (KH-39, KN-41およびKW-103) の樹立とその性状

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タイトル別名
  • TISSUE CULTURE CELL LINES ESTABLISHED FROM HUMAN UROLOGIC CARCINOMAS

抄録

ヒト泌尿器悪性腫瘍の単層培養の研究を行い, 3つの腫瘍より上皮性細胞の活発な増殖が認められた. いずれも140継代培養を重ね, 細胞株として樹立された. 70歳男子および30歳女子の clear cell を主体とした腎細胞癌由来の細胞株はそれぞれ KH-39, KN-41, また44歳男子の膀胱移行上皮癌由来の細胞株はKW-103と命名された. これら3株をヌードマウスに異種移植し, 移植28日後に100%に腫瘍形成を認めた. KH-39およびKN-41は単層培養細胞と異種移植腫瘍の光顕的, 電顕的所見より腎細胞癌由来と考えられた. KW-103もまた光顕的, 電顕的所見より膀胱移行上皮癌由来と考えられた. 染色体分布は44~47継代時に行つた. 3株共に2個の marker chromosomes を持ち, hyperdiploidy の核型を示した. 種族細胞の染色体数モードはKH-39で58ないし59, KN-41では58ないし59, KW-103では57であつた. marker chromosome の centromere index はKH-39では15.1と22.4, KN-41では15.2と22.7, さらにKW-103では16.2と24.1であつた. 重複培養法による増殖曲線より得られた doubling time は, KH-39, KN-41およびKW-103ではそれぞれ16.0, 20.9, 16.0時間であつた.

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