睾丸に腫瘤を触れない胚細胞腫瘍症例の検討

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  • EXTRAGONADAL GERM CELL TUMORS WITH PALPABLY NORMAL TESTES

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県立がんセンター新潟病院泌尿器科では睾丸に腫瘍を触知しない胚細胞腫瘍の8例が治療された. これら患者は, 20歳から32歳で, 主訴は腹部腫瘤4例, 左頚部腫瘤3例, 呼吸困難1例であり, 組織所見ならびに marker (AFP, hCG) によって診断がきめられた. 2例は潜在性睾丸腫瘍であり, 病理組織所見はそれぞれ睾丸が胎児性癌およびセミノーマ, 転移巣がセミノーマ及び絨毛癌であった. 2例は睾丸の超音波検査により小石灰化像が指摘され, 組織検索 (1例は片側除睾術, 1例は剖検) により burned-out testicular tumor と診断されたものであり, いずれも転移巣は胎児性癌+絨毛癌であった. 他の4例は睾丸の超音波検査により異常がないことから原発性性腺外胚細胞腫瘍が強く疑われた. この中の1例は前縦隔にのみ局在し, 他の3例は主として後腹膜腔の腫瘍であった. 病理組織所見は2例が胎児性癌であり他の2例は化学療法の効果による壊死組織であった. 全例, 治療によく反応し (1例は放射線療法, 2例は化学療法, 4例は化学療法および手術) 潜在性睾丸腫瘍の1例, 性腺外胚細胞腫瘍の2例が完全寛解となった.

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