膀胱絨毛癌の1例

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  • A CASE OF CHORIOCARCINOMA OF THE BLADDER

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抄録

最近我々は, 膀胱絨毛癌の1例を経験したので, 若干の文献的考察を加え報告する. 症例は57歳男性. 昭和60年2月中旬より肉眼的血尿が出現し, 近医受診. 同年3月5日当科を紹介された. 膀胱鏡にて示指頭大の広基性腫瘍を2コ認めたため, 同時にパンチバイオプシーを施行. TCCG2の診断にて手術目的のため5月4日入院. 入院後の諸検査では転移を認めなかった. 尿細胞診ではTCCG3と診断したため, 5月28日膀胱全摘+回腸導管術施行. 術後の病理では, 表在性の腫瘍はTCCG3であるが, 筋層への浸潤を認め, 同部の組織は絨毛癌であった. また, その後の生化学検査でHCG-βの上昇を認めた. 同年7月2日の胸部レ線にて多発性の転移巣を認めたため, 化学療法 (CDDP, ACR) 開始. 反応がないため, MTX, CP, ACT-D3者併用療法を施行. 一時肺転移巣は縮小したものの, その後急激な増悪とHCG-βの上昇を来たし, 同年10月16日, 呼吸不全とDICにて死亡した. 剖検所見では, 肺, 肝を中心に全身転移巣を認めた. 本症例は本邦報告例では, 第7例目である.

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