研究 熱希釈法による1側腎血流量測定法の信頼性ならびにドブタミンの腎血流量に及ぼす影響

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  • The reliability of renal blood flow measurement by the local thermodilution method and the effects of dobutamine on renal blood flow in man

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抄録

局所熱希釈法による腎血流量測定法は短時間で反復測定が可能で腎血流量の早い変化の追求に優れた方法とされている.本法の信頼性を検討したが,モデル回路で実測流量との相関係数はO.999(P<O.005,N:8)と良好であった.再現性はモデル回路でγ=0.997(P<O.0O5,N:8),臨床でγ=O.985(P<0.005,N:89)と高い相関を認めた.<BR>臨床でβ刺激剤の心に対するinotropic actionは多くの報告があるが,腎血流量の早い変動に関しては測定法の困難性のため知見がない.著者らは開心術後症例7例に本法を用いて,ドブタミン,アドレナリン投与の際の腎血流量の変動を10分間隔で,ヒトで初めて測定した.<BR>ドブタミン(2μg/kg/分)投与10分で心拍出量増加にともない腎血流量は確実に増加し(P<O.Ol),8μ9/kg/分投与10分では変化率の平均で前値にくらべ33.1%増加したが血流分配率は変化しなかった.一方アドレナリン投与では腎への血流分配率が低下した(P<O.05).

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 10 (11), 1142-1147, 1978

    Japan Heart Foundation

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